猫背になってしまったり、ドタドタと騒がしい歩き方をしていたのでは、せっかくの綺麗な振袖姿も台無しです。格式の高い礼服である振袖にふさわしく、身のこなしには気を配りましょう。
気持ちもシャキッと、背筋を伸ばして膝を緩めずに立ち、足元はまっすぐに揃えます。立ち止まっている時の手は、前で軽くそろえると様になります。歩くときには、草履を引きずらないように気を付け、階段を上がる際には一歩一歩ゆっくり慌てずに。
しかし、階段は裾に負担が大きくかかり着崩れの原因になってしまいがち。エレベーターがあれば、そちらを使うようにすると安心です。
椅子に座る際には、長い裾を持ってから浅めに腰掛けます。袖は膝の上にたたんで置き、地面について汚れてしまわないようにします。腰と背中を伸ばして、背もたれに寄りかからないのはもちろん足を組んだり広げて座るのはNGです。
落としたものを拾うときには、洋装の時と同じように、そのまましゃがんだり腰を曲げて拾うのはNG。慌てず、袖は腕にかけて引きずらないようにし、腰をすっと落とすようにしてしゃがみこみ拾います。
祝いの席での乾杯時には、脇をしめて、グラスを持つ手と反対側の手で、グラスを持っているほうの袖の袂をそっと押さえるようにします。いつもよりも優雅に、ゆっくりとした動作を意識するようにしましょう。
車に乗るときには、シートにお尻をのせ、髪型が崩れないように頭を車内に入れます。ここでも長い袖に注意し、膝にたたんで置いたら体を回転させながら足を車内に入れます。帯がつぶれてしまわないよう座るときは浅く、バランスが崩れないように手すりなどにつかまっていると安心です。
振袖では車の乗り降りは大変ですから、一番最後に乗って、一番最初に降りるようにすると楽です。
また電車での移動では、乗り換えは少なめにしておいた方が無難です。ターミナル駅などの常に混雑しているところでは、いつものように周りに合わせて歩くことができないので、ぶつかったり押されて転倒したりといった危険も。できるだけ、着付けは成人式の会場近くで行うのが安心です。